miRNAとも略される。たんぱく質に翻訳されない(ノンコーディング)21~25塩基の小さなRNAで、遺伝子の発現を調節している。1993年に線虫で発見され、2002年にがん化に関与していることが報告されてから、飛躍的に研究が進んだ。現在では、細胞の発生、分化、増殖や細胞死(アポトーシス)などの基本的な生命現象の調節に関わっていることが報告されている。ヒトのマイクロRNAは2500種以上知られているが、このうち、各種のがん特有のマイクロRNAは、がんの転移や病態変化などに関与しており、新しい疾病マーカーとして有望視されている。また、miRNAを標的にする医薬やそのものを医薬品とする開発も進められている。