バイオケミストリー(biochemistry 生化学)は化学物質から生命現象を解明する学問であるが、最近、化学的な視点から生命現象を解明するケミカルバイオロジーという手法が提唱された。具体的には、核酸やたんぱく質等の生体高分子と特異的に相互作用する低分子化合物をプローブ(検出用の物質)として、生体高分子の機能を解明する手法である。ケミカルゲノミックス(chemical genomics)と同義にも使われる。新しい学問領域のため、研究領域は広いが、生命現象を理解するうえで重要な生体高分子を人為的に制御する低分子リガンド(細胞の表面に存在するさまざまな受容体の中の特定の受容体だけに結合する物質)を発見・開発する創薬分野と結びつき、発展している。