再生医療用iPS細胞ストックプロジェクトは、ボランティアから提供された細胞で作製されたiPS細胞を他の患者への「他家移植」に用いるための準備をする計画である。免疫拒絶反応が起きにくいように、白血球の抗原型(HLA)別に医療用のiPS細胞を作製し、将来的に日本人の大半をカバーできるようにする。あらかじめ安全性を確認し、品質を一定に保ったiPS細胞を保存し、必要に応じて国内外の医療機関や研究機関に迅速に提供できるようにすることが目的であり、「自家移植」と比べると格段に時間と費用が抑えられる利点がある。現在、日本人に最も多い17%をカバーするHLA型のiPS細胞の作製が終了し、2番目に多い13%をカバーするHLA型のiPS細胞の作製を進めている。