アメリカでは、2010年12月31日をもって政府機関で利用される「政府標準暗号」を、より強固な次世代暗号に置き換えた。商務省国立標準技術研究所(NIST)が定める政府標準暗号は、事実上の業界標準となっており、世界中のさまざまな分野で広く利用されているため、その影響は大きく「暗号の2010年問題」といわれるようになった。NISTが10年までに利用の停止を決めた暗号には、共通鍵暗号では2-key Triple DES、公開鍵暗号(電子署名)では鍵長 1024bitのRSAとDSA、鍵長160bitのECDSA、ハッシュ関数ではSHA-1などがある。日本政府も同様の方針で、多少遅れるが13年までに、より強固な暗号への移行を完了することを決めている。