ビットコイン(Bitcoin:BTC)やイーサリアム(Ethereum:ETH)、ネム(NEM:XEM)といった仮想通貨の普及とともに、それらを狙った犯罪が増加している。仮想通貨発掘マルウェアも、仮想通貨の違法な獲得を狙った犯罪手口の一つ。別名「マイニングウイルス」「コインマイナー」とも呼ばれる。仮想通貨では、一定期間ごとにすべての取引記録を台帳に記録しているが、全体の整合性を確保するためには、ネットワーク上に分散記録されている台帳のデータを集めて検証・追記していく必要がある。この追記作業には膨大な計算処理が必要となるため、有志のコンピューターリソースを借りることで実現されている。ビットコインなどの仮想通貨では、この追記作業を手伝ってくれたことに対するお礼(報酬)として新たな通貨が発行されており、新規発行に至るこれら一連の流れは「採掘(マイニング)」と呼ばれる。仮想通貨発掘マルウェアは、犯罪者が仮想通貨の発掘に必要なリソースを確保するために、インターネットに接続されたPCやスマートフォンなどを乗っ取る目的で開発された。感染すると大きな負荷がかかり続けるため、機器が壊れてしまう場合もある。