絶滅の恐れのある野生生物の現状を紹介した本。国際自然保護連合(IUCN)が動植物共通の絶滅危惧種の判定基準に基づき、世界、各国、各都道府県が独自のレッドデータブックを分類群ごとに作っている。その判定基準には減少率、分布面積、個体数、絶滅リスクなどがあり、どれか一つを満たせば指定される。どの基準も絶滅危惧の深刻さに応じて3段階に分けて判定され、最も厳しいランクでは10年後、またはその生物の3世代後までの絶滅リスクが50%以上か、同じ期間の減少率が80%以上か、または50個体以下などである。食卓に「トロ」として供されるミナミマグロが過去30年で80%減少していることから絶滅危惧種に指定され、実際に近い将来絶滅する恐れのないものを指定したとして議論を呼んだ。環境省はほぼ10年おきにレッドデータブック、5年おきにレッドリスト(絶滅危惧種の種名リスト)を改定する。2006年12月から07年8月にかけて動植物10分類群の改定版が出され、計3315種が絶滅危惧種に指定された。