分子式C6H6、常温常圧で無色透明の液体で、芳香族炭化水素で最も基本的分子構造を有する化合物。大気汚染物質で、揮発性有機化合物(VOC)に属する。白血病の原因との疫学的証拠があり、国際がん機関は「ヒトに対して発がん性を示す」としている。ガソリンに含まれ、自動車排ガスとしても排出されるため、沿道で大気中濃度が高い。日本の大気環境基準は年平均で3μg/m3以下。2005年度環境省の有害大気汚染物質モニタリングでは、全国458 (418)カ所の測定点で、0.47~3.7(0.44~5.0)μg/m3、平均1.7(1.8)μg/m3で、環境基準超過率は3.9(5.5)%であった(かっこ内は04年度)。汚染は改善の方向にある。