生物の内分泌系の正常な機能を変化させる外因性物質のこと。「Our Stolen Future(奪われし未来)」(シーア・コルボーン他著、1996年)により、世界的な関心が高まった。内分泌攪乱化学物質が正式名称で、環境ホルモンは俗称。環境庁(当時、現・環境省)は98年5月「環境ホルモン戦略計画SPEED’98」で、内分泌攪乱作用が疑われる化学物質として67物質をリストし(2000年11月65物質に修正)、調査を進めた。他方、攪乱物質と認定されたリストと解釈されたため、社会的混乱を引き起こした。調査の結果(04年)、明らかに内分泌攪乱作用が認められたのはメダカのライフサイクル試験で試験24物質中3物質、ラット1代試験では22物質中ゼロであった。05年の「化学物質の内分泌攪乱作用に関する環境省の今後の対応方針について-ExTEND2005-」では、内分泌攪乱物質に対する特別扱いをやめ、総合的な化学物質対策の中で調査研究を続けるとしている。