世界の多様な生物を守るために特に重点的に保護すべき生物多様性が豊かな場所のこと。理論的には、最小の面積を保全して最大の種を絶滅の脅威から取り除く場所を選ぶ。たとえば、日本を約10キロ四方の4457の区画に分けたとき、わずか20区画内の種子・シダ植物を完全に保全すれば、絶滅危惧種の50%を保全することができ、251区画を保全すればすべての絶滅危惧種を守ることができると試算されている。すべての地域を完全に保全することは不可能であるから、費用対効果の高い場所を選定する試みとして、コンサーベーション・インターナショナル(CI)はより大きな尺度で世界総面積の2.3%にあたる34カ所をホットスポットに選んだ。すべての種子・シダ植物の50%と、陸上脊椎動物の42%がそれらの中にのみ生息しているという。日本全域もその一つに選ばれている。ホットスポット(hot spot)と は本来、火山の活動地点を意味する概念を指す。