もともとは、身体などに付着した放射性物質の除去を指すことが多かったが、2011年3月の福島第一原子力発電所事故による周辺環境の放射能汚染においては、建物、道路、公園、校庭など人の生活空間の除染が課題となっている。
除染の方法としては、まず、放射性物質を吸い込まず、また曝露しないような装備を整える必要がある。具体的には、長靴、布手袋+ゴム手袋、帽子、マスクを着用し、さらに水を使う場合は、カッパやゴーグルの着用が望ましい。土ぼこりの集まる場所や雨水の浸透する場所の土壌には高濃度で放射性物質が存在しやすいので、そのような場所の清掃が重要である。土壌の除染方法としては、表層を除去することになる。いずれにしても、放射性物質を消滅させる方法はなく、また、行政による処理施設や処分場の設置も進んでいない状況下では、敷地の適切な場所に埋めるなどして、近づかないようにすることが大事である。水による高圧洗浄が行われているが、生活空間からは排除できるものの河川を通して海を汚染する。さらに、低線量の地域では除染の効果は小さくなるため、実施しても非効率であり、一定程度のリスクは許容するしかないのが実情である。環境省は、「除染関係ガイドライン」を公表した。