無色で刺激臭のある有毒な気体で、亜硫酸ガスともいう。分子量64.07、融点-75.5℃、沸点-10.0℃。火山活動や工業活動により排出され、特に、石炭や石油に含まれる硫黄化合物が燃焼により排出されることで、大気汚染や酸性雨の原因となる。呼吸器を刺激し、せき、ぜんそく、気管支炎などの障害を引き起こす。日本では1960~70年代に各地で二酸化硫黄を原因とする大気汚染が発生した。そこで74年に施行された「公害健康被害補償法」に基づく被害者補償地域が指定された。重油脱硫や排煙脱硫の対策技術や総量規制の導入により状況が改善してきたことから、新たな地域指定はなくなっている。二酸化硫黄の測定方法には溶液導電率法と紫外線蛍光法の二つがあり、環境基準値は、1時間値の1日平均値が0.04 ppm以下であり、かつ、1時間値が0.1 ppm以下であることと定められている。2010年度の環境基準達成率は、一般環境大気測定局で1114局(99.7%)、自動車排出ガス測定局で68局(100%)と良好である。