粒径が1~100 nm(ナノメーター:10-9 m)の銀の微粒子のこと。ナノ銀粒子を材料に配合したり表面に塗布したり、あるいは懸濁液として使用することで、殺菌・抗菌作用が得られる。しかし、銀はそれ自体で殺菌作用を有するので、ナノ粒子にすることで表面積を増やす以上の効果を得られているかについては議論の余地があるところである。抗菌作用を目的に衣類などの繊維、台所用品や洗面用具、スリッパなどの家庭用品・生活雑貨、制汗剤や消臭スプレーなどの化粧品、エアコンフィルターや洗濯機などの家電用品と多岐にわたって使用されている。使用されたナノ銀は、たとえば繊維の場合、洗濯などにより排出され、微生物などに悪影響を与える可能性がある。また、食品や化粧品などに使用されたナノ銀を人体が取り込んだ場合も、未知の有害影響が生じるのではないかという懸念が指摘され、アメリカでは、2006年に環境保護庁が規制に乗り出した。しかし日本では現在のところ規制はなされていない。