太平洋のマリアナ諸島西海域で産卵し、北赤道海流や黒潮に乗って北上した稚魚シラスウナギが、台湾、中国、韓国、日本の河川に遡上し成長した魚。一部は、淡水の川に遡上せずに汽水域や河口で成長するケースもあるという。2013年2月、環境省が発表した、第4次「レッドリスト」の「汽水・淡水魚類」で、絶滅危惧ⅠB類(近い将来、野生での絶滅の危険性が高いもの)に選定された。遡上(そじょう)するシラスウナギを乱獲していることが減少の理由と考えられる。これらは共通の産卵場で生まれた単一の個体群とみられ、ある国が乱獲すると、他国の資源まで減ることが予想される。同年7月には、各国の自然保護団体や政府機関で作る国際自然保護連合(IUCN ; International Union for Conservation of Nature and Natural Resources)が「レッドリスト」で、ニホンウナギの絶滅危惧種指定を検討していたが、見送られた。