二酸化炭素(CO2)濃度が季節変化を繰り返しながら長期的に増加していることを描いた曲線。発見者チャールズ・デービッド・キーリングにちなんで、こう呼ばれる。1958年からハワイのマウナロア観測所において継続的に実施されている大気中のCO2濃度の精密な観測により得られたデータが基になっている。そのデータはアメリカ海洋大気局(NOAA ; National Oceanic and Atmospheric Administration)がサイトで公開している。化石燃料消費などが原因でCO2濃度が上昇し、その温室効果により地球が温暖化していると考えられるが、キーリング曲線は最も明確なCO2濃度上昇の証拠といえる。2013年末までの月平均CO2濃度の最高値は、同年5月の399.76ppmだったが、5月26日6月1日の週間平均値は400.01ppmと、観測史上初めて400ppmを超えた。また、1960年代の増加幅は年間約0.8ppmだったが、2000年代には約2.1ppmに上昇している。気候変動に関する政府間パネル(IPCC ; Intergovernmental Panel on Climate Change)は、2100年には、CO2大気中濃度が1990年レベルの2倍となるシナリオ(中位の予測)から、全球平均気温が90年より2℃上昇すると予測している。