化学物質や物理的作用(放射線や温度刺激などのストレス)を生物に与えたとき、その摂取量やストレスの大きさである「用量」と、生物の「反応(薬効や有害影響)」との関係のこと。用量応答関係ともいう。通常は、用量と個体群におけるある影響の発現確率をいい、広義では、用量と単一個体における影響の種類や重篤度との関係(用量影響関係 dose-effect relationship)をも含む。放射線の影響の場合は線量効果関係という。具体的には、与える化学物質などの量を段階的に変えた実験を行い、生物の反応を観察し、用量を横軸、反応を縦軸に取ったグラフで示す。しばしばS字型の曲線が得られ、この曲線から、無影響量(NOEL ; non observed effect level)、最小影響量(LOEL ; lowest observed effect level)、半数影響量(ED50 ; effective dose 50)などが求められる。化学物質の用量には、投与した量(外部用量)、生物が吸収した量(内部用量)、および影響を観察する組織に到達した量(標的用量)の3つの基本タイプがある。また投与回数と期間によって急性、亜慢性、慢性影響に分類される。対象となる影響については、生化学的変化のような初期的な反応から、発育障害のような複雑な反応まで広範囲にわたる。