気候変動の影響は、気温の平均値上昇だけではなく、大型台風や高波、干ばつといった気象の極端現象の頻度で現れる。こうした極端現象を定義し、その発生頻度、発生した場合の被害を考慮することを、気候変動リスクという。気候変動では、地球の平均気温の2℃上昇が懸念されているが、ある年のある地域では年平均気温が2℃以上変動することがある。つまり、局所的な短期変動は長期変動より落差が大きく、極端現象の頻度が高くなり、人間生活に影響を及ぼすことも多い。よって極端現象の大きさや頻度が問題になる。温室効果ガス排出量のシナリオにより、地球の平均気温が何度上昇するかがわかれば、それに応じて各地域の気候変動リスクが予想される。さらに、災害の被害額なども予想され、災害を減らすための適応策を講じる手立てともなる。2014年5月、世界気象機関(WMO ; World Meteorological Organization)は、北半球の二酸化炭素濃度が4月に初めて400ppmに達し、気候変動リスクが高まっていると発表した。これに関連し、海洋酸性化も懸念されており、早急な解決策が待たれる。