人間活動の国際化に伴い、多種多様な生物が国外から持ち込まれ、野生化するようになった。これを外来種と呼ぶが、特に人間の身体を害する種(ヒアリなど)や農林水産業被害をもたらす種(アライグマなど)、在来生態系を損なう種(ブラックバスなど)を指す。侵略的外来種は、国内に持ち込まない、移動させない、野外に放さない、飼育しない、繁殖させないなどが、外来生物法で定められている。ペットとして意図的に導入される外来種もいるが、輸入穀物に混じった雑草など非意図的な侵入もある。国内でも沖縄や奄美大島など南西諸島の紅いもや紫いもなどのさつまいも類は、寄生昆虫侵入を防ぐために、本土への持ち込みが禁止されている。小笠原諸島のように本土から離れた大洋島では、本土からの移入にも注意が必要だが、外来生物法は国外からの外来種のみを対象としている。外来種問題は、土地利用変化、乱獲、汚染、気候変動とともに、生物多様性を損なう要因の一つに挙げられている。