ナノ構造の作製には、大きな構造から微細な構造を切り出していくトップダウン(top down)手法と、原子・分子から自然界の摂理によりナノ構造が自動的に形成される現象を利用するボトムアップ(bottom up)手法がある。前者の代表がリソグラフィー技術で、半導体集積回路の集積度に合わせて進化し、ナノ領域の加工が可能になった。通常、レジストという材料にまず微細パターンを作製し、それを転写してナノ構造を実現する。レジストにナノ領域のパターンを形成するには、紫外線、X線、電子ビームが用いられる。作製できる構造の細かさでは電子ビームリソグラフィーが勝っているが、大面積に一度にパターンが形成できる点では紫外線、X線リソグラフィーが優れている。