抗体や酵素、膜たんぱく質をチップ上に固定して、ターゲットとする分子の作用解析やたんぱく質の検出、機能解析を行うチップ。体内では、侵入した病原体やたんぱく質に対する免疫反応により抗体が生成される。この抗体を利用し、抗原である病原体やたんぱく質の早期検出を目的とした高感度・高選択性の検出チップが報告された。また、特定の物質に対する特異的反応を利用し、ストレスなど体の症状に応じて変化する物質の量から現在の状態を判定する試みもある。このチップでは、たんぱく質自体の機能解析の他、短時間でたんぱく質解析が可能となるため、ハイスループットスクリーニング(high through put screening 大量のサンプルから、標的因子または物質を高速で効率よく選別すること)が実現できること、さらに薬効解析、遺伝情報を基にしたゲノム創薬など、創薬分野への応用が期待される。最近、今までの抗体や酵素、膜たんぱく質を固定したチップを用いた検出と異なり、DNAをベースにアミノ酸を修飾して作製した人工抗体を用いた検出法が開発され(DNAたんぱく質チップ、DNAトキシンセンサー)、食中毒の検出が今までの100分の1という短時間で可能となった。