血液の成分を対象とするチップ。マイクロ流路を用いて血液成分の検査をするチップや、CD(コンパクトディスク)様のディスク基板上に反応部や検出部、マイクロ流路を組み込み、パソコンのCDドライブなどで検出する「CDによる血液や健康診断チップ」などがある。遠心力を利用する血漿分離等の血液成分の分離チップの他、超音波を用いて血液中の脂肪分を分離する脂肪分離チップ(fat separation chip)が注目されている。脂肪分離チップでは、三差路になったマイクロ流路の下に超音波発生ユニットを組み込み、超音波の“節”ができる中央の流路に血球を集め、脂肪分をその両側に分離することにより、血中脂肪濃度の改善を図る。脂肪とともに流れてしまう血液成分の回収など解決すべき点があるが、動脈硬化の原因となる高脂血症を簡易に改善する方法として期待される。この他、血液中の特定たんぱく質の存在、マーカー因子の有無など、病気の診断チップも開発・検討され、このようなチップを用いた微量血液の分析による在宅医療への応用が期待されている。