明確な定義はないが、遺伝子操作によるたんぱく質の設計やそれによる機能制御、さらにそのたんぱく質を利用した細胞の機能制御まで広い範囲をカバーする研究分野。任意の細胞群から作り出す機能優先の組織など、生体の機能を優先的に考えて設計、製造する新しい研究領域として、最近特に日本よりヨーロッパで注目されている。医療や創薬などへの応用・展開が期待される。「シンセティック」という言葉が示すように、「合成」あるいは「人工的」といった、人の手が加わった領域研究を包括する。本領域は、たんぱく質のような個々のパーツを組み合わせて新しい機能を発現するように「システム化」するシステムズ・バイオロジー(systems biology)とともに生体を理解し、利用するうえで、極めて重要な分野になってくると思われる。