従来、難聴などの聴覚障害者は、聴覚改善のために補聴器を利用することが典型となっている。一方、超小型のポンプを用い、聴覚のセンサーとして働く有毛細胞へグルタミン酸を投与し、機能の改善を図る方法も試みられている。最近では、8チャンル程度の電極を内耳の蝸牛(かぎゅう)という部分に埋め込み、聴覚を回復させる治療も多く行われている。これらが、バイオニックイヤー、あるいは人工内耳(artificial cochlea)と呼ばれる治療法であるが、直接デバイスを指す名称として用いられることもある。チャンネル数の増加による音声情報の音質向上と微細化による負担軽減が検討されている。