脳の機能解析と脳活動のみで機械の制御を目的とするブレイン・マシン・インターフェース(BMI)。これを脳とリンクするための装置とするならば、リンクした脳の活動を理解し、利用するために、複雑な脳の活動をデコード(復号化)する必要がある。ブレイン・デコーディングとは、簡単に言えば、脳を読み取ることである。脳活動の画像化であるブレイン・イメージング(brain imaging)が一つのキーとなり、(1)神経電気活動を剣山型電極やMEA(multi electrode array)などによって細胞から直接ピックアップする侵襲型測定法をはじめ、(2) fMRI(機能的核磁気共鳴断層画像)、PET(陽電子放射線断層撮影装置)、脳磁計、光CTなどによって体の外から脳波や脳活動をピックアップする非侵襲測定法の発展が、研究開発に大きく貢献した。心を読むマインド・リーディング(mind reading)もその一種と考えてよく、頭で考えるだけでロボットの制御を行うような利用法も試みられており、こうしたアイデアは近未来設定のSF映画の題材にもなっている。