微細な板バネの振動を使った論理素子が提案されている。板バネに「押す」「引く」の力を加えた場合に励起される機械振動には、まず上に振れてから下にさがり振動を繰り返すモードと、逆に下に振れてから上に上がり振動を繰り返すモードがあることを利用し、これを「0」「1」のビットに対応させる論理素子である。板バネを半導体で作製し、ピエゾ効果(圧電効果)で電気信号と機械振動を結合させることで原理が実験的に確認された。約50年前に電気回路により開発されたパラメトリックコンピューターのメカニカル版である。ナノスケール(nm : 10-9m=10億分の1mレベルのスケール)に微細化することで集積密度があげられるだけでなく、消費電力が極めて小さくなることが期待されている。微小な板バネを橋のたもとの部分まで含めて振動させることで、隣接する板バネ間で機械振動を結合させることもできる。