緑色蛍光たんぱく質(GFP ; green fluorescent protein)の研究による下村脩ボストン大学医学校名誉教授らの2008年ノーベル化学賞受賞以来、バイオイメージングに用いる蛍光たんぱく質に注目が集まり、研究への利用が盛んに行われている。色も多色に及び、昨今では新たに、蛍光変化により細胞活動を検出するタイプと、光により細胞活動状態を変化させるタイプが報告されている。
青色蛍光たんぱく質(CFP ; cyan fluorescent protein)と黄色蛍光たんぱく質(YFP ; yellow fluorescent protein)を組み合わせた電位感受性蛍光たんぱく質(VSFP ; voltage sensitive fluorescent protein)は、静止状態でCFP、活動状態でYFPと、細胞の活動状態に依存して蛍光色が変わるたんぱく質で、その蛍光変化により細胞活動を検出できる。また、光吸収たんぱく質のチャネルロドプシン(channelrhodopsin)を改変することで作製された光感受性たんぱく質(photoactive protein)は、青と緑の両方に反応することができ、神経細胞に発現させると、光照射した光の波長によりその神経細胞のみを活性化、あるいは非活性化することができる。両者とも神経機能の解析に有力な手法として注目されている。