光学と遺伝学を組み合わせることにより、特定の細胞の活動を制御することを可能にする技術、またはその研究をさす。対象とする細胞に、藻類や微生物由来の光反応性たんぱく質であるオプシン(opsin)を導入することで、細胞に光感受性をもたせる。これにより、照射する光の波長に依存して細胞を活性化、非活性化することができる。さらに、使用するオプシンの変異型を選択することにより、1秒間に200回以上「発火(神経細胞が信号出力のため活動電位を発すること)」させることが可能な超高速タイプや、1回の光照射で細胞の興奮状態をオン/オフできる超低速タイプの光感受性をもたせることができる。現在までに、青色の光に反応して超高速型にも超低速型にも対応するクラミドモナス由来のチャネルロドプシン2(ChR2)や、緑から黄色の光に反応するボルボックス由来のVChR1、黄色の光に反応する好塩菌由来のハロロドプシン(NpHR)などが報告されている。線虫を使った実験や、脳への応用など、種々の実験が始まっている。これまでの刺激法と異なり、特定の細胞レベルや、多色による混合刺激など、さまざまなバリエーションでの刺激が可能となり、詳細な生理解析が可能となる一方、倫理的な問題も懸念され始めている。