DNAの核酸の一部を、合成ポリマー(合成高分子)に置き換えた人工核酸。イギリスのMRC分子生物学研究所などのチームは、核酸の構成単位であるヌクレオチドの糖を、人工的に合成した6種類のポリマー(合成高分子)のうちの一つに置き換えて、DNAとは全く異なる六つの異なる核酸XNA(ゼノ核酸)による遺伝システムを作製することに成功した。「ゼノ(Xeno)」とは、ギリシャ語で“外来”を意味する言葉であり、実験では人工環境下でDNAと同様に複製をつくることに成功し、「ゼノバイオロジー(Xenobiology)」なる言葉が生み出されている。生命の起源の解明につながる期待がある一方、新種の生物が発生する危険性を危惧する意見もあるが、実際に何かが生み出されるのは、かなり先になると考えられる。