クモの糸の強靭(きょうじん)さを有する人工合成クモ糸繊維で、クモの糸の主成分であるフィブロインをベースに、人工的に合成したもの。2007年に起業した大学発ベンチャーのスパイバー(山形県)が開発したもので、「QMONOS」は同社の登録商標である。クモの糸は「世界一強靱な繊維」とされ、その特性から、多種にわたる業種について産業応用への期待が高い素材である。しかし、クモはカイコと異なり飼育が困難であるため、クモの糸を得るためには人工合成する必要があるいっぽう、繊維として必要な生産量を確保することの困難さと、コスト、紡糸技術の点から実現は難しいとされてきた。同社は、微生物を利用した多量生産法、および新たなたんぱく質溶解技術の獲得により、これらのハードルを克服。高機能繊維の量産化技術として期待されている。