病気や事故により切断された手や足の神経を接続することで、神経信号による制御や双方向での神経信号のやりとりを可能とする機械製の義肢。まだ確立された技術ではないが、特に高性能義手の研究が進められており、神経の電気信号が、接続部(インターフェース)を介して義手の電子回路に伝達され、義手を動かすための制御信号となるという目標が、まずは掲げられている。神経から直接信号を授受するという点において、切断部の近くの筋肉を動かすことで義手を操作するのに必要な信号を得る「筋電義手(myoelectric arm ; myoelectric prosthesis)」の間接的な方法とは区別される。この技術を成立させるためには、神経と機械を結ぶインターフェース部が重要である。アメリカのペンシルベニア大学のチームは、あらかじめ培養しておいた神経繊維を導電性フィラメントの先端で成長させ、それを切断された神経の近くに移植することで、神経の軸索を伸長させてフィラメントと接続させる技術を開発し、ラットを使った実験を進めている。それ以外にも、神経信号をいったん外部コンピューターにバイパスしてから、その信号を解読し、最適な信号制御を行う方法などが提案されている。