光の位相差情報をホログラフィー技術(holography 光による情報を干渉現象によって記録する技術)により取得することで、段差などの3D情報をスキャンすることなく解析できる装置のこと。デジタルホログラフィック顕微鏡は、1回の像取得で水平・垂直方向の三次元情報を取得できるため、得られた情報から凹凸などの高さ情報と表面反射率を反映した反射強度情報を表示することが可能である。光の屈折や回折による光の波形の差を比較する位相差顕微鏡(phase contrast microscopy)に組み込むことで、高速での3Dイメージ表示とともに広いエリアの測定にも適用可能であり、スクリーニング(ふるい分け)などの解析に有効である。
一方、電気通信大学の渡邉恵理子准教授と電気通信大学認定ベンチャーのフォトニック・システム・ソリューションズ(PSS ; Photonic System Solutions)は、位相差顕微鏡ではなく撮像素子を使い、球面波参照光(spherical wave reference beam 点の光源から放射状に広がる光に対して補助光〈=参照光〉を当てて、光の強度とともに、その干渉縞から光の三次元的な位相情報を得られる)を利用して物体の光波情報を取得することで、計算により像を生成するデジタルホログラフィック顕微鏡装置を開発。角膜上皮細胞の細胞シートの生育状態などの検査に適用することで、検査の効率化を目指している。