DNAを用いたナノ構造体の合成は、1991年発表のネイドリアン・シーマンの功績にはじまり、2006年にはポール・ロゼムンドによって長い一本鎖DNAと短い相補的DNA鎖からナノ構造体を構成するDNAオリガミが報告された。その後、14年、コーディー・ゲリーらは、1本鎖のRNA(リボ核酸)が安定した構造に折りたたまる、折り紙のようなナノ構造体「RNAオリガミ」を作製することに成功した。RNAは鋳型となるDNA鎖から転写によって作られ、複雑に規則正しく折りたたまることで、複雑な構造を作り出している。そのため、今までDNAオリガミに必要だったDNA鎖合成や熱処理工程が回避されている
電気通信大学の関新之助助教らは、RNAオリガミを数理モデルで表すことに世界で初めて成功し、RNAを折りたたむだけで関数計算ができる手法を開発した。