導電性高分子を導入することで、電気を流すことができるようになった植物。電子植物(electronic plant)などとも呼ばれる。バラの葉や茎に導電性高分子を導入し、植物全体に電気を流すことで、生長促進や変色制御を可能にした。スウェーデンのリンショーピン大学のマグナス・ベルグレン教授の研究グループは、切りバラの茎から導電性高分子PEDOT(3,4-エチレンジオキシチオフォン)を含む溶液を吸収させることで、ポリマーが維管束組織中でゲル化し、導線と同様の形態をとることを発見した。これにより、茎の中に電気を流すことができる電線を形成することができた。また、導電性高分子にセルロースナノファイバーを混ぜた溶液に葉を浸し、減圧することで葉の内部に導電性高分子を染み込ませることにも成功し、電気を流すことによって葉の変色を引き起こした。生長速度や変色の操作による光合成制御が期待される。