従来は、光の照射によって睡眠障害やうつ病の治療にあたる治療法や、肌のシミなどに対して行われる美容治療法の一つなどをさしていたが、照射する波長の違いによって、光過敏性の障害や臓器の損傷が抑制される現象が報告され、症状・病態の緩和治療が期待されている。アメリカのピッツバーグ大学のマシュー・ローゼンガルト准教授らのグループは、術前に1400lx(ルクス)の青色光を24時間照射したマウスで、虚血再灌流障害における肝臓や腎臓の損傷が抑制されたことを報告している。赤色光や蛍光灯などの光では抑制効果が見られなかったことから、特定の波長の光が症状緩和に役立つ可能性を示した。また、ハーバード大学医学大学院とベス・イスラエル・ディーコネス医療センターの共同研究において、光によって悪化する光過敏性の偏頭痛が、緑色の光により症状が軽減されることも明らかになっている。