ハーバード大学のチャールズ・リーバー主任研究員らは、注射器を用いて、脳組織に刺入し、展開可能なメッシュ状の導電性高分子からなる電子回路を作製した。この電子回路は、柔軟性に富むことから変形させやすく、注射器から注入した後にメッシュ状に広がり、脳神経組織と一体化することで神経活動などを検知しようという狙いである。挿入するメッシュに電子部品やセンサーを内蔵すれば、刺入箇所の生体活動をモニターしうるものと期待される。検討中のメッシュは、注射器先端の直径約100μm(マイクロメートル:10-6=100万分の1m)、幅2mm、長さ数cmまで展開可能である。メッシュを構成するひもの中には金属が通っており、ひずみ計などの計測機器に接続される構造が報告されている。現在では脳に電極を刺す治療が行われることがあるパーキンソン病などの治療に、将来使われることが期待される。