電子顕微鏡で見ると花のように見えるナノスケール(10億分の1mスケール)の構造をナノ花(なのはな)と呼ぶ。ナノ花では表面積の拡大、光の吸収の増大、アンテナ効果などが期待できることから、太陽電池の高効率化に貢献することが期待されている。特に、電解液を用いて発電する湿式の太陽電池である色素増感太陽電池において、酸化亜鉛などの酸化物半導体と可視光を吸収する色素分子を組み合わせた電極に、酸化物半導体のナノ花構造を用いることで特性が改善することが報告されている。菜の花畑のように一面に咲いたナノ花で光を受ける太陽電池が実現されるかもしれない。同じように、木のように見えるナノスケール構造も存在し、ナノ木(nanotree)と呼ぶこともある。