地球の外核(→「地球の成層構造」)に含まれる鉄とニッケル以外の成分。鉄やニッケルよりも原子番号が小さい元素であることから軽元素と呼ばれる。外核を伝わる地震波の速度が鉄ニッケル合金より遅いことから軽元素が10%程度含まれることが明らかにされた。1960年代にオーストラリアの地球物理学者リングウッドは軽元素がケイ素であると考えたが、対立する説として硫黄説が出され、論争となった。70年代にリングウッドによってさらに酸素説が提唱され、高温高圧実験でそれらの説の妥当性が検証された。現在では、ケイ素、硫黄、酸素のいずれか単独では外核中に存在する軽元素の量を説明するには不十分であり、これらが適当な割合で混ざっているのではないかと考えられている。