地震波の到達時間の地域性や波形データから地球内部構造をイメージングする手法のこと。地震トモグラフィーによる地球内部構造の研究には、特定地域の地殻や上部マントルの構造を対象とした研究と、マントル全体を対象とした研究があり、後者を特にマントルトモグラフィーと呼んでいる。地震トモグラフィーによる地球内部のイメージングによって、地震波速度や密度の不均質性が明らかにされた。地震波速度の遅い地域は高温であると考えられ、マントルの上昇流が起こっている地域であると解釈される。また、地震波速度の大きな地域は冷たい表層物質の沈み込みが起こっているものと解釈される。しかし、地球内部の不均質性が温度の地域性によるものであるのか、温度だけでなく化学組成も異なっているのかについては、議論が分かれており、地震学的な研究結果を岩石や鉱物の高温・高圧下における物性と比較検討して、不均質性の成因を明らかにしようという研究が盛んに行われている。