地球内部は高温であり、対流運動が発生している。地球深部の高温な物質は周囲より密度が小さくなってゆっくり浮上して上昇流となる。マントルの上昇流のうち円筒状のものはプルーム(plume)と呼ばれている。ホットスポットへマグマを供給する上昇流はプルームの活動によるものと考えられている。海洋底が拡大している中央海嶺に沿ってはシート状の上昇流がみられる。アイスランドのように中央海嶺軸にホットスポットが位置している場合には、プルームと中央海嶺の相互作用(plume-ridge interaction)が生じている。一方、マントルの下降流はプレートの沈み込みで特徴づけられる。沈み込んだプレートは深度660kmの不連続面が障害となって下部マントルへの下降が抑制される場合と、すみやかに下部マントルまで沈み込んでいくケースがあり、沈み込んだスラブとマントル遷移層の間には複雑な相互作用がみられる。