大陸の真ん中にリフトが形成されて海洋底が拡大し、やがて大陸の縁に沈み込み帯が形成されて海が閉じて造山山脈が形成される過程のこと。古生代には世界の大陸が1カ所に集まって、超大陸パンゲアが形成されたが、ジュラ紀には分裂し、大西洋が形成された。カナダの地質学者J.T.ウィルソンは、北米大陸とヨーロッパ大陸には形成環境の異なる地盤が断層で接している地域があることから、二つの地盤の間にはさらに「古い時代の大西洋(イアペタス海)」があったと考えた。この海は現在の大西洋が開く以前にヨーロッパと北米の間にあったいわば古大西洋ともいうべきものである。こうした海洋の発生、拡大、短縮、消滅というサイクルと、それにともなう大陸の離合集散がプレート運動によって繰り返されてきたと考えられるようになり、こうした考えを最初に提唱したウィルソンにちなんで名づけられた。