地球が地上の物体を引っ張る力のこと。重力はその物体と地球全体の間に働く万有引力(universal gravitation)と、地球の回転による遠心力(centrifugal force)の合力で表される。地球の形状が回転楕円体であることと、遠心力によって、重力は赤道で小さく極で大きくなる傾向がある。地球の形状や遠心力の影響を考慮した重力分布を標準重力といい、それからのずれを重力異常(gravity anomaly)という。重力異常は、地下に周囲と密度の異なる物質が存在している場合や、マントルの上昇流や下降流がある場合に発生する。したがって、グローバルな重力異常からもマントル対流運動を調べることができる。最近では、地球温暖化による大陸氷床の融解などによるわずかな重力変化をとらえようという研究が注目されるようになり、2機の人工衛星の相対位置から重力の微妙な変化を検出する実験(GRACE)が進められている。