月や太陽の引力によって引き起こされる地球の変形。一般に潮汐(ちょうせき)というと海洋潮汐を指し、外洋、沿岸などで一日に2回海水面の昇降運動がみられる。月と太陽と地球が一直線上に並ぶ(満月や新月の時)と、月と太陽の引力が強め合って潮汐の振幅は大きくなる。これを大潮という。逆に半月の時は二つの引力が弱め合って小潮となる。こうした海水の運動は潮汐力によって発生しているが、潮汐力は固体の地球にも作用しており、周期的に地面の上下運動や地殻のひずみが発生している(地球潮汐)。潮汐力が、火山噴火や巨大地震の引き金になる場合もある。月の地震(月震)は明らかに潮汐と相関がある。潮汐による大地の変動や海水の流れには摩擦力(潮汐摩擦)が作用しており、長い時間スケールでみると、地球の自転速度は減速しており、月は徐々に地球から遠ざかっている。