氷河湖で形成された細かい縞模様をもつ地層。山岳斜面を流れ下った氷河の末端には、氷河湖が形成されることがある。氷河湖には夏季の融氷期に大量の土砂が流れ込むが、冬季にはほとんど水が流れ込まなくなったり、湖面が凍結してしまうことがあるため、堆積物の流入に大きな季節変化ができる。したがって、湖底にできる地層は夏季の粒度の粗い層と冬季の粒度の細かい層が繰り返し、砂層と粘土層からなる縞状の地層ができる。これを氷縞粘土といい、粒度の粗い層と細かい層が1セットずつ形成されることから、縞の枚数を計測することで地層の形成年代を見積もることができる。最近では、氷河の先端以外の場所にある湖沼でも細かい縞模様をもつ地層が相次いで見つかっている。日本では、福井県の水月湖のものが有名で縞模様に着目した年代決定や環境変動の復元が行われている。こうした湖沼の堆積物の縞模様も1年に1セットできるものと考えられており、年縞(ねんこう)と呼ばれている。