天体衝突で飛び散った破片が堆積した地層。クレーター放出物ともいう。1980年代に南オーストラリアのフリンダース山脈で、レイクアクラマン衝突構造から飛び散ったエジェクタ層が発見されトピックスとなった。約6億年前の衝突構造とそこから飛び散った放出物がほぼ同時期に発見されたからである。その後、西オーストラリアのピルバラや南アフリカに分布する太古代の地層にも衝突で飛び散ったガラス状の球粒(スフェールール)層が発見され、衝突で飛び散ったエジェクタ層であると解釈されている。東南アジアやアフリカ西岸などで発見されているテクタイトと呼ばれるガラス状の粒子も天体衝突で衝撃を受けて熱変成を受けた岩石が飛び散ってできたものである。近年、エジェクタ層は、オルドビス紀や三畳紀の地層でも発見されており、生物大量絶滅事件との関連性が注目されている。