現在は過去を探る鍵であるという地質学の基本的考え方。18世紀にイギリスのジェームズ・ハットンによって提唱された考え。その後、この考えを『地質学原理』という大著で論じたチャールズ・ライエルによって広まった。この著書はビーグル号で世界一周航海に出たダーウィンの愛読書となり、進化論の形成にも多大な影響を与えたとされる。当時、フランスのキュビエは、多くの生物が一斉に絶滅する激変があったとする激変説(catastrophism's theory)を唱え、斉一説と対立したが、斉一説が勝利してからは、激変説に対する強い反対が続いた。1980年に天体衝突によって恐竜などの生物が一斉に絶滅したとする仮説が登場したが、この時も斉一説をよりどころにした強い批判にさらされた。今日では、まれにしか起こらない天体衝突のような事件も地球で起こる過程の一つに含まれるとみなされ、斉一説の考えが修正された。90年代後半には、全球凍結仮説が提唱されると、これも地球表面が全面的に凍りつくことは斉一説から逸脱するような大事件であるとして批判にさらされた。