原生代後期のエディアカラ紀(ベンド紀)に栄えた生物群。1947年、南オーストラリアのエディアカラの丘の地層から大型化石が発見された。当初、それらはクラゲのような刺胞動物、節足動物あるいはウミエラの祖先などに分類されたが、ドイツの古生物学者のザイラッハーが、大型で移動した痕跡がないこと、エアマット状の構造をもつことなど、形態が特異であり、現生の動物分類体系に当てはめることは困難であることから、ベンドビオンタという新たなグループに位置づけるべきだと主張した。エディアカラ動物群の化石はカンブリア紀以降の地層からはほとんど発見されていないので、少なくともカンブリア紀の初めまでには絶滅したと考えられている。また、他の動物によって食いちぎられた跡は見つかっておらず、生態系における捕食者はまだ出現していなかったと考えられる。さらに、これらの化石が約6億年前のバランガー氷河期(最後の全球凍結事件?)が終わったあとに出現していることも注目されている。