霊長類から枝分かれしてきた私たち人類の始まり。その探求は化石人類を研究する古人類学と、現代人のもつ遺伝情報から私たちの祖先を探る分子生物学的研究からなる。人類の起源を探る研究は、ダーウィンの『種の起源』の影響を受けた多くの研究者が類人猿と人類の間を埋めるミッシングリンクを見つけようと取り組んできた。20世紀には東アフリカから大量の化石が発見され、注目されてきた。また、1980年代以降になると、現代人のミトコンドリアに含まれる遺伝子から人類の祖先はアフリカで出現し、世界各地へと広がったとする仮説が提示され話題となった(ミトコンドリアDNA)。また、分子時計を用いて霊長類と人類の枝分かれした時期の推定が試みられるようになっている。