地球内部の地殻とマントル最上部を合わせた、硬く、流動しにくい層。海洋下での厚さは100~150kmで、大陸下での厚さが150~200km。リソスフェアの下にある流動しやすい層はアセノスフェアと呼ばれている。リソスフェアはプレートテクトニクスのプレートとほぼ同じ部分に相当し、海洋リソスフェアは中央海嶺で生まれ、沈み込み帯でマントルへと沈み込んでいる。沈み込んだリソスフェアはスラブと呼ばれることもある。海洋下では、リソスフェアの下にあるアセノスフェアは低速度層と呼ばれ、地震波速度の遅い領域となっており、リソスフェアとアセノスフェアの境界は明瞭であるが、大陸下のリソスフェアは厚く安定で、深さ250kmまで達しているという見方もあり、テクトスフェアと呼ばれることもある。大陸リソスフェアでは、アフリカの大地溝帯(リフトバレー)のような割れ目が形成されることがあり、両側の地塊が横へずれると、玄武岩質のマグマが上昇して、新たな海洋リソスフェアが形成される。一方、大陸を載せたリソスフェアが沈み込み帯で衝突すると造山山脈が形成される(→「地球の成層構造」)。