地球大気中で、酸素原子が3つ結びついたオゾン分子の濃度が高い領域のこと。オゾン層は地上20~25kmの高さにある。太陽からやってくる紫外線によって酸素分子が分解されて酸素原子ができ、それが結合してオゾンが形成される。形成されたオゾンは再び分解されて酸素分子や酸素原子にもどるが、生成率と分解率のバランスでオゾン濃度の高い層が形成されている。オゾンが関与した反応により触媒効果をもつフロンガスなどの濃度が増えると、生成と消滅のバランスがくずれ、オゾン層が破壊される。地球大気では、オゾン濃度は極地で高く、低緯度で低い傾向があるが、南極や北極で春先にオゾン濃度の低い領域が拡大しており、オゾンホールと呼ばれている。オゾンの濃度は大気中の酸素濃度と相関しており、大気中の酸素濃度が低い、初期地球ではオゾン層は存在していなかった。現在のようなオゾン層が形成されたのは、大気中の酸素分圧が高まった古生代の5億年前ごろであったと考えられている。