鳥類と同じような特徴を備えた恐竜のこと。中国遼寧省のジュラ紀から白亜紀にかけての地層からは、保存のよい鳥類型恐竜の化石が発見されているが、瀋陽師範大学の古生物学者たちは、2009年に1.51億~1.61億年前のジュラ紀中期の地層から鳥類型恐竜化石が発見されたという論文を「ネイチャー」に発表した。それ以前に発見されていた鳥類型恐竜は白亜紀初期の1.25億年前のもので、ドイツのゾーレンホーヘン石灰岩で発見されている最古の鳥類化石とされる始祖鳥より若いものであり、出現時期におけるパラドックスとみなされていた。始祖鳥は鳥類型恐竜から進化したものであるという見方があったが、祖先となる鳥類型恐竜が発見されていなかったのである。今回発見された鳥類型恐竜Anchiornis huxleyiは、始祖鳥化石よりも古く、羽毛をもった恐竜が進化して鳥類が出現したという考えを支持するものであり、かつて鳥類の特徴とみなされていた羽毛の起源を探る重要な手がかりになるものと期待される。