金属資源の一つ。サマリウムやネオジムなどの希土類元素(rare earth elements)の酸化物を多く含む。希土類元素は、スカンジウム、イットリウムのほか、原子番号57のランタンから71のルテチウムまでの一連の元素を含んでいる。これらは化学的性質がよく似ており、他の原子に比べて原子半径が大きく、岩石を構成する鉱物中に入りにくい。そのためマグマが結晶化する過程で、残液に濃集しやすく、花崗(こう)岩に多く含まれる。レアアースの産出は中国に偏っているが、これは花崗岩の風化でできた鉱床である。レアアースを含め、チタン、バナジウム、ニオブなどは、レアメタルと呼ばれている。レアメタルは、キンバーライト(かんらん石と雲母を多く含む火山岩)やカーボナタイト(炭酸塩鉱物を多く含む火山岩)と呼ばれているマントル起源のアルカリ玄武岩などにも多く含まれている。金属資源には、このほかにも鉄、アルミニウム、銅、亜鉛などさまざまなものがあり、それらを含む地質体を鉱床という。リン鉱は、リン酸塩鉱物を多く含む鉱床で、化学肥料の重要な原料となっている。鉱床の形成には、マグマの冷却や熱水活動、生物活動などがあり、その成因はさまざまであるが、産地が偏在しており、近年は戦略物質として注目されるようになっている。